私がハンドメイドの販売を始めてから2年くらい経つと、それまでの努力が実ってきて売上も増えてきました。
平均すると売上はだいたい毎月5万円、経費を差し引くと3万円。
ようやくお小遣いレベルですね。
新規で買ってくれるお客様もいるし、ファンになってくれた方がリピート購入もしてくれるので適度に忙しい充実した日々が続いていました。
でも、心配事がひとつだけあったのです。
『毎月5万円の売上では暮らしていけない。』
私の目標は、ハンドメイド作品を販売した稼ぎで生活すること。
『稼ぐためです』私がハンドメイドを始めたきっかけとはじめての作品づくり今の状況では、お小遣い稼ぎにはなるけれども生活するには全然足りません。
しかも、売上は少しずつ増えてきてはいるものの生活できるようになるとは思えないペースなんです。
でも、もっと急ピッチで売上を増やすための具体的なアイディアなんて全然思い付きません。
ミケ
私以外にも、「お小遣い稼ぎから生活できるくらいの売上にしたいけど、どうしたら良いか分からない。」というハンドメイド作家さんは多いのではないでしょうか?
私の場合は、いつものようにトラに相談してアドバイスをもらうことが出来ました。
トラ
今回の記事では、その時トラにアドバイスしてもらった、ハンドメイドの売上をお小遣い稼ぎからビジネスに変える考え方と、まず最初に準備しておくことをご紹介したいと思います。
私は現在もまだ、アドバイスをもとにハンドメイド活動のビジネスとして稼げるよう実践している最中です。
だから、今回のお話しの内容は実績が出ているわけではないのですが、私の実践している活動が、他のハンドメイド作家さんの行動するきっかけになれたら嬉しいです。
目次
ハンドメイド作家がひとりで稼げる限界
ハンドメイド作品の販売を始めてしばらくは、問題点を改善すればその分だけ売上に繋がります。
私の場合は問題点だらけだったので辛いこともたくさんありましたが、その度に対策して売上を増やしてきました。
その甲斐あってようやく安定して稼げるようになってきましたが、目立った問題点が見つからないので売上があまり増えていかないという事態に陥ってしまったのです。
もちろん、今までの問題点に対しては継続的に改善を図っているので少しずつ良くなっています。
でも、このペースでは生活できるくらいの売上になるとはとても思えません。
ミケ
トラ
トラはそう言って、まずは最近の売上状況を確認することから始めました。
1年間の売上状況を確認する
大した売上が無くて少し恥ずかしいのですが、私が相談した時までの1年間の売上状況を確認してみます。
月ごとに12ヶ月間の売上を棒グラフで表わしています。No.1が1年前の売上で、No.12が先月の売上です。
売上の金額を見やすくするために縦軸は10万円を上限にしました。No.5の月だけは上限を超えて14万円近くを売り上げています。
これをみると、確かにこの1年間で平均は5万円くらいですが、前半は売上が不安定で10万円近く売れたかと思えば、1万円ちょっとしか売れなかったり。
それに対して後半は、大きな売上は出ていませんが、安定的に5万円前後になっています。
ミケ
トラ
売上が少ない時は作品を製作する必要が無いので、プロモーションに力を入れることができます。
結果としてその翌月はよく売れるのですが、製作作業が忙しくてプロモーションまで手が回らず、売上が大きかった翌月の売上は落ち込んでしまいます。
後半はそうならないように、売れなくてもプロモーションをやり過ぎないようコントロールしてきた・・・ので安定してきたように思います。
トラ
現状のハンドメイド活動でどこまで稼げるか
このように販売実績をみれば、私が現在の活動で稼げる限界の金額は大体10万円くらいであることが分かります。
でも、稼げる限界の金額は実績を見なくても求めることができるんです。
私は本業の合間を見て月に大体100時間くらいハンドメイド活動に使えます。
私の活動の時間配分は『新作の開発:受注品の製作・発送:プロモーション=1:4:5』にしているので、受注品の製作・発送に費やせる時間は、40時間です。
私の主力製品は、製作・発送に2時間、販売価格は5,000円の作品なので、一ヵ月で製作できるのは最大20個。その売上は最大で10万円です。
つまり私の場合、売上が10万円以上になると新作の開発やプロモーションの活動をする時間が足りなくなってしまうので、無意識のうちにそれを超えない売上になるようにコントロールしてしまっていたのです。
ミケ
トラ
生活できる金額を稼ぐためには
今度は、ハンドメイド活動で生活していくために必要な活動時間を見積もることにします。
収入が20万円くらいあれば生活できると仮定すると、材料費などの経費を含めて売上は30万円くらいは必要です。
今の活動内容で、30万円分を製作するために必要な時間を逆算すると、活動に毎月300時間を費やさないといけないことが分かります。
それって、週休二日で8時間労働しているサラリーマンが、一ヵ月間を定時間で働くと160時間くらいなので、その倍近い時間を毎月活動しないと稼げないということです。
そんな状態を続けていたら、もしも稼げたとしても長くは続けられませんよね。
ミケ
今まで、いろんなカテゴリーやジャンルの作品も作ってみましたが、どれもアルバイトくらいに儲かるようになるまでには、たくさんの努力が必要であることが分かっています。
だから、生活できるくらい稼げる新商品を思いつくことは、私には難しそうです。
トラ
ハンドメイドの売上で生活するには?
特別な技術もアイディアも無い私のようなハンドメイド作家が、その売上で生活する方法のひとつは『ハンドメイド活動をビジネスにする』ことです。
『ビジネス』と言うといろんな意味があるのですが、ここでの意味は『自分以外の人の力を借りて、ハンドメイド活動を手伝ってもらうこと』と考えてください。
トラ
お小遣い稼ぎをビジネスにする考え方
『ハンドメイドで作品を製作し販売する』という活動では、その規模に関わらずやることは3つだけです。
- お客様のニーズに合っている作品を考える
- 作品の魅力を伝えられるように販売する
- 効率良く作品を製作して納品する
やることはたった3つですが、実際に「何をやるか?」「どこまでやるか?」「いつまでにやるか?」という作業にすると、幾らでもやらなければならないことが出てきて、キリがありませんよね。
例えば、『作品の魅力を伝えられるように販売する』方法のひとつとして、インターネットで販売をするためにはショップページをつくる必要があります。
ひとことにショップページをつくると言っても、そのためにはネットショップの設定をしなければいけません。
さらに個々の作品について、魅力的な写真を撮影する必要があるし、思わず買いたくなるような作品の紹介文も記入する必要があります。
細かいことを考え出したら、他にも様々な作業が思い浮かびますよね。
個人でハンドメイドの販売をしている作家さんの多くは、これを自分ひとりでこなしています。
販売を始めたばかりのときは、まだ売上も無いので何かと節約したいはず。
だから自分でこなしてしまうのですが、売上も増えてきて作家活動に費やす時間が増えてくると、自分一人では対応できなくなってしまいます。
それを解決する方法のひとつとして、『個々の作業の専門家に、対価を支払う代わりにハンドメイド活動を手伝ってもらう』という手があります。
トラ
ミケ
これを『取引』と呼び、『ビジネスとは、取引を活用しながら売上を増やしていくこと』と考えれば良いと思います。
手伝ってもらったことで対価を支払わなければなりませんが、その作業のプロであれば、あなたが自分でやるよりも短時間で効果の高い結果を期待できます。
それによって増える売上の方が対価よりも大きくなれば、その差額の分だけ儲かりますよね。
つまり、作業の専門家と『取引』をすれば、一人ではこなしきれないボリュームの作業も対応できるようになって、今よりも稼げる可能性が増えるということです。
専門家に手伝ってもらうと売上を増やすことが出来て、その分を使って、さらに別の人に手伝ってもらうことでさらに売上を増やしていく。
そうやってビジネス活動を大きくしていけるのです。
少ない収入であっても自分一人で楽しみながら稼ぐのもひとつのスタイルなので自分にあった活動を選びましょう。
ビジネス活動するときの取引事例
具体的にハンドメイドをビジネスとして活動していくとき、どのような取引ができるのでしょう?
お客様のニーズに合った作品を安く作って商品力を高めるなら、
- 卸売業者から市場価格よりも安く材料やパーツを仕入れる。
- 人気のあるキャラクターを利用する許可をもらう。
商品の魅力を分かりやすく伝えて販売力を高めるなら、
- ネットショップに使う写真をカメラマンに撮ってもらったり、文章をライターに書いてもらう。
- メディアに取材してもらえるようにプレスリリースをしてもらう。
- 新聞やチラシ、インターネット広告を出稿してもらう。
品質の高い商品を効率よく製作して生産力を高めるなら、
- 製作マニュアルを作成してアルバイトを雇う。
- 特定の部位は外部業者に製作してもらう。
など、製作・販売活動でやることの全ての作業で、専門家を活用することができます。
ミケ
ビジネスを始める最初のステップ
取引をするためには信用が必要
ハンドメイド活動の作業を専門家と取引して手伝ってもらえたら、売上を増やせる可能性が高まりますが、そのためには取引する相手と信頼関係を築く必要があります。
もしも取引する相手が、ちゃんと作業をしてくれなかったり、納期を守ってくれなかったりしたら困ってしまいますよね?
それどころか、突然いなくなってしまい連絡も取れなくなったりしたら大変です。
逆に取引する相手にとっても、あなたがちゃんと対価を支払ってくれるか、支払わずに逃げてしまったりしないか不安であるかも知れません。
これを防ぐためには、初対面の相手でもお互いに『信用』できるように、あなたのハンドメイド活動に関わる情報を公開したり、取引相手と契約書を交わしておく必要があります。
個人事業を開業していると取引の幅が広がる
ハンドメイドの活動を今までの『お小遣い稼ぎ』から『ビジネス』に変えていく事を決心したら、まず、取引相手に信用してもらえるような準備を始めることから始めます。
私の場合は、『個人事業として開業して自分のお店を持つ』ことにしました。
個人事業として開業していれば、あなたがハンドメイド活動をビジネスに真剣に取り組んでいることを市区町村に届け出ている証明になります。
そのため、卸売業者から材料やパーツを安く仕入れるときに、開業していると取引に応じてくれるなど、開業していない場合と比べて取引の幅が大きく広がります。
また、インターネットの中だけであったとしても、ハンドメイドマーケットではなく自分の『ネットショップ』を持てば、ハンドメイド作品に限らず何でも販売することができるようになります。
ちゃんとした届出とお店があれば、信用も高まりますよね。
ミケ
トラ
まとめ:ビジネスの体制を整えよう
この記事では、ハンドメイドの売上をお小遣い稼ぎからビジネスに変える考え方と、まず最初に準備しておくことをご紹介してきました。
ハンドメイド作家が自分ひとりで製作から販売まで実践すれば、お金をかけずに販売を始められてお小遣い程度なら稼げます。
さらに、少ないリスクで作品を販売するための知識やノウハウを身に付けることもできます。
しかし、特別なアイディアやスキルが無ければ、活動を続けるうちに稼げる限界が来てしまいます。
私の場合は稼げる限界の売上は10万円。
それを超えないように知らず知らずの内に売上をコントロールしていて、平均で毎月5万円くらいの売上になっていたのでした。
でも、毎月5万円の売上では生活できません。
私はハンドメイド活動を、自分ひとりの個人活動から『取引』をして専門家に手伝ってもらいながら稼ぐ『ビジネス』に変えていく事を決心しました。
そこで私の場合は、ハンドメイド活動を『ビジネス』にするために、まずは『個人事業を開業して自分のお店を持つ』ことから準備を進めることにしたのでした。
もしもあなたが、本当にハンドメイド活動で生活できるくらい稼ぎたいなら、覚悟を決めて活動のビジネス化を進めてみたらいかがでしょうか?
現在の私は、無事に個人事業を開業し、自分のネットショップも開設しています。
簡単に開業・開設と言ってもいろいろ調べたり、準備したこともあったので、次回以降は、そのときの経験をお話ししますね。