ハンドメイドマーケットで販売を始めた私も、あまり多くはありませんが安定的に売上を上がられるようになってきました。
そこで、生活できるくらい稼げるようになることを目指して、ハンドメイド作家の活動をビジネスにすることにしたのです。
その第一歩は『個人事業主』になること。
売上が安定してきた今の私なら、個人事業を開業すればメリットが大きそうだからです。
でも、個人事業の開業手続きには、「何を準備すれば良いのか?」とか「どんな手続きをすれば良いのか?」とか「何に注意すれば良いのか?」などなど、気になることがいっぱいです。
いろいろ調べてみると、言葉も手続きも難しそうで大苦戦でした。
でも実際に開業手続きをやってみると、私のような自分ひとりで事業をする人なら、あっけないくらい簡単に出来てしまったんです。
ミケ
そこでこの記事では、これから個人事業を開業しようと考えている方に向けて、開業届の出し方とその時の注意点について解説したいと思います。
特に実際の店舗を持たずに、自分一人でネットショップや委託販売をされている方が個人事業を開業するときに、お役に立てる情報だと思いますのでぜひ参考にしてくださいね。
目次
個人事業開業手続きの流れ
個人事業を開業をするときの手続きは、近隣の税務署などに書類を提出するだけ。
ですが、細かく分けると3つのステップに分けることができるので、この記事の解説は、このステップに沿って進めます。
- STEP.1書類の入手まずは自分の事業に合わせて開業に必要な書類を確認し、準備しなければなりません。
ここでは、インターネットから書類をダウンロードする集め方をまとめます。 - STEP.2書類の記入ダウンロードして集めた書類に記入していきます。
誰も雇わず自分ひとりでネットショップを運用される方なら、必要な書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」の2つだけです。 - STEP.3書類の提出近隣の税務署や役場へ、直接行って書類を提出する、又は郵送すれば、個人事業の開業手続きは完了です。
開業手続きは、どんな事業を誰とするのかによって提出する書類が変わってきます。
ここでは、ネットショップや委託販売を自分ひとりで運営している方の場合を対象に説明を進めて行きますね。
個人事業開業に必要な書類の入手
個人事業を開業するときの書類は、いろいろありそうで困ってしまいますが、絶対に必要な書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」のひとつだけです。
それ以外の書類は、事業のやり方によって必要な書類を選択していきます。
もしもあなたが、自分ひとりでネットショップや委託販売の事業を実施するのなら、他に準備しておきたい書類は「所得税の青色申告承認申請書」です。
青色申告をすると所得税の特別控除などのメリットがあるので、最初の内に申請しておくのがおススメです。
つまり、自分ひとりの事業なら、この2種類の書類だけを準備すればOK。
どちらの書類も国税庁のホームページで入手することができます。
「個人事業の開業・廃業等届出書」の入手
新たに事業を開始したときや、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき、または事業を廃止したときに提出する書類です。
開業の場合は、事業開始から1ヶ月以内に提出することが義務付けられています。
参考 [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続国税庁「青色申告承認申請書」の入手
青色申告の承認を受けるために必要で、開業日から2ヶ月以内に提出(1月1日~15日の間の場合は3月15日まで)する書類です。
この「青色申告承認申請書」を受理してもらうには、「個人事業の開業届出・廃業届出書」をあらかじめ提出しておくか、または同時に提出しないといけません。
ミケ
個人事業開業に必要な書類の記入
個人事業の開業に必要な書類をダウンロードしたら、内容を記入していきます。
ここでは、先ほどお話しした2種類の書類について、書き方や注意事項を説明しますね。
「個人事業の開業・廃業等届出書」の書き方
ダウンロードした「個人事業の開業・廃業等届出書」のpdfファイルは、PC上で直接書き込めるようになっていて、書き込んだ状態で保存や印刷もできます。
提出用と控用の2枚セットになっているので、記入する内容はほとんど同じですが必ず両方の書類に記入しましょう。
記入箇所とその内容をまとめておきます。
納税地:オフィスがある場合は「事業所等」の丸を塗りつぶし、オフィスが無い場合は「住所地」の丸を塗りつぶして自宅の住所を書きます。
氏名・生年月日・個人番号:個人番号にはマイナンバーを記入します。(控用)には個人番号の記入はしません。
職業・屋号:職業には「雑貨等販売」など簡潔に事業内容を記入。「屋号」にはショップ名などを記入します。ショップ名が決まっていなければ空欄で構いません。
届出の区分:開業を〇で囲みます。
所得の種類:一般的なネットショップなら事業(農業)所得の丸を塗り潰します。
開業・廃業等日:開業日を記入します。提出日の一ヵ月以内であればいつでもOKです。
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無:上段の「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」の「有」の丸を塗り潰します。下段は未記入で問題ありません。
事業の概要:①で記入した職業よりも具体的に事業内容を記入します。例えば「〇〇など小物雑貨の企画・製造・販売」といった感じです。
給与などの支払いの状況:自分ひとりで事業を実施するなら「計」の欄に「0(ゼロ)」と記入します。
記入箇所も少ないし内容も難しくはないので、あまり時間をかけずに記入できると思います。
この書類作成で重要なことは、今後、事業者と取引をするときに個人事業主の証明として『個人事業の開業・廃業等届出書』のコピーがよく使われるということです。
それを踏まえて注意しておきたいことが2点あります。
1.なるべく個人情報を晒さない
銀行などの信頼できる取引相手だけなら良いのですが、卸売業者などにも提出する可能性があるので、納税地はオフィスなどの事業所を使う、マイナンバーは(控用)を使うなど、重要な個人情報は晒さないようにしておくことがおススメです。
個人のネットショップだと自宅で事業を行う方も多いと思いますが、ネットショップの『特定商取引法に基づく表記』の記載内容と合わせて、バーチャルオフィスを活用するなどの対応を事前にしておいた方が良いと思います。
個人でネットショップを運用する人のための特定商取引法への対応方法バーチャルオフィスとは、実際にオフィスを借してくれるのではなく、ビジネスに必要な仮の「住所」を貸してくれたり、「電話応対」や「荷物の受取り」の代行をしてくれるサービスのこと。
私の場合は、日本最大級のバーチャルオフィスを展開しているKarigoを活用して、事業所の住所を借りています。
幾つかサービスプランがありますが、ネットショップを運用する個人の方なら月額3,150円で最もリーズナブルな『ホワイトプラン』でも十分ですよ。
2.事業の概要をあまり詳細に特定しない
事業を継続していると、その時々の時流に合わせて事業内容が変化したり発展したりすることもあるはずです。
最初からあまりに事業の内容を詳細に特定してしまうと、その変化や発展に対応できなくなる可能性があるので、例えば5年先くらいの事業内容を見据えて記載するなど、将来も困らない内容を記載しましょう。
「所得税の青色申告承認申請書」の書き方
ダウンロードした「所得税の青色申告承認申請書」のpdfファイルも、PC上で直接書き込めるようになっていて、書き込んだ状態で保存や印刷もできます。
開業届と同様に記入箇所とその内容をまとめておきます。
「個人事業の開業・廃業等届出書」に対して個人番号の記入欄が無いだけなので、同じ内容を記入すればOKです。
一番上の「令和〇年」は青色申告を始める年を記入します。
1 事務所又は所得の起因となる資産の名称及びその所在地:名称に「屋号」、所在地に「事業所の住所」を記入します。
2 所得の種類:一般的なネットショップなら事業所得の丸を塗り潰します。
3 青色申告承認の取り消し:初めて個人事業主になるなら「(2)無」の丸を塗り潰します。
4 本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日:開業日を記入します。
5 相続による事業承継の有無:新規で事業を始める場合は「(2)無」の丸を塗り潰します。
6(1)簿記形式:青色申告で65万円の特別控除を受けたい場合は「複式簿記」の丸を塗り潰します。10万円の特別控除でも良い場合には「簡易簿記」の丸を塗り潰します。
6(2)備付帳簿名:(1)簿記形式で、複式簿記を選択した場合は、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳の丸を塗り潰し、簡易簿記を選択した場合は、現金出納帳の丸のみを塗り潰します。
「所得税の青色申告承認申請書」で注意しておきたいことは、青色申告のための簿記方式です。
複式簿記を使って帳簿をつくるのは大変ですが、最近は優れた会計ソフトが普及しているし、商工会議所などで相談窓口もあったりするので挑戦するのがおススメです。
特別控除の金額が大きく変わるし、将来的には複式簿記で帳簿を付けておくとお金の管理がしやすくなります。
ミケ
個人事業開業に必要な書類の提出
2つの書類に必要事項を記載したら、最寄りの税務署に持って行くか、郵送で提出します。
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最寄りの税務署は国税庁のホームページから調べることが出来るので、分からない方は活用してください。
参考 税務署の所在地などを知りたい方国税庁税務署に提出するとき、「個人事業の開業届出・廃業届出書」は税務署への提出用と控用の2部を提出します。このとき、マイナンバーを確認できるものも持参してください。
また、「所得税の青色申告承認申請書」を受理してもらうには、「個人事業の開業届出・廃業届出書」をあらかじめ提出されていないといけないので、2つの書類を同時に提出しましょう。
これらの書類の提出に関して、費用はかかりませんので安心してください。
税務署で受理されると、控えが自宅へ返送されてきます。
まとめ:個人事業主の開業手続きをしよう
この記事では、これから個人事業を開業しようと考えている、店舗を持たずに自分一人でネットショップや委託販売をされる方に向けて、開業届の出し方とその注意点について解説してきました。
個人事業の開業は大変そうな印象がありますが、提出しなければいけない書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」だけです。
これらに記入して近くの税務署に提出すれば、個人事業の開業手続きは完了します。
書類に記入する内容もあまり多くないし手続きには費用もかからないので、この機会に手続きをしてしまいましょう。
手続きが完了したら「個人事業の開業・廃業等届出書(控用)」は大切に保管しておいてくださいね。
銀行口座の開設、卸売業者との取引開始、モバイル決済の審査資料などなど、今後いろいろなときに必要になってくるはずです。
国税庁のホームページを調べたり、税務署に行って相談するのも良いと思います。