『ハンドメイドは儲からない?』アルバイトよりもはるかに時給が低くなってしまった理由

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ハンドメイドマーケットでは、びっくりするくらい安く作品が販売されていることがあります。そんな中で出品して売れるためには、気持ちよく利益がでるように販売価格を決めることができません。

そのため、せっかく作品がたくさん売れても儲かっていない状態になった経験はないでしょうか?

私にはそんな経験がたくさんあります…orz

ハンドメイドマーケットで『作品が売れない』という悩みがようやく解決したあと、少しずつ売れるようになってきた私が直面したのは『儲からない』という悩みでした。

『作品が売れない』という悩みが解決するまでのお話しはこちらの記事を読んでくださいね。
selling-handmade-eyecatchハンドメイドマーケットの『minne』『Creema』は売れるまでが大変。心が折れない作品の売り出し方

私にとって『儲からない』とは、『ハンドメイドをしていても生活できるようにはならない』ということ・・・かなり深刻なんです。

ミケ

何で売れてるのに儲からないのかにゃ?
手伝ってあげるから、きちんと作品の販売価格とそれにかかった費用について分析してみようよ。

トラ

同じような悩みを抱えている作家さんは、もしかしたら私と同じ状態になっているかも知れません。そんな方には参考になると思いますので、よろしければ一緒に考えてみてくださいね。

作品が売れれば売れるほど『儲からない』ことを実感した体験談

・・・すみません。見出しタイトルが長すぎですね。

でもタイトルが長すぎるほど、私にとっては事件だったのです。

初めてのヒット作品で『儲からない』体験をする

ハンドメイド作品の販売を始めてから半年ぐらいたった時に、とうとう私にもヒット作品が生まれました。実用性を持ちながらインテリアの一部として溶け込むオシャレ雑貨の作品で、販売価格は1,500円です。

それまでに販売した作品は、じっくり待ちに待ってようやくひとつ売れるか、うまくひとつ売れたとしても、二つめはなかなか売れない。というものが多かったのですが・・・

この作品は、在庫を補充しても気が付くと『SOLD OUT』になっているという『神作品』だったのです!

MEMO
他の作家さんも含めて『minne』や『Creema』で販売していると、多くの作品はひとつも売れていないか売れていても1つか2つであることが多いです。そんな中で10個以上売れている作品は、私の立場から見ると『ヒット作品』でした。

でも、製作に時間がかかるので、その時はいつもこの作品の製作ばかりしていたように思います。それを必死に作り続ければ『儲かる』と錯覚していたのです。

そして販売から一か月。
その作品ばかりたくさん作ったのでその月はすごく儲かった気になっていました。

でも、その月のヒット作品の売上は15,000円。つまり、ヒット作品を製作し発送できた数は一か月で10個だけだったのです。

ミケ

・・・大ヒットという割にはなんだか売れた数も金額もそれほど多くないにゃ?

そのとき、ようやくニブイ私も気が付いてしまったのです。

私が1か月間、毎日ちまちまヒット作品を作り続けても15,000円。
でも、コンビニやファーストフードで時給1000円のアルバイトを1日3時間ずつ働けば、5日間で15,000円を稼げます。

ハンドメイド作家をしているよりも、アルバイトを始めた方がよっぽど儲かるのです。

ハンドメイド作品の費用の内訳を振り返ってみた

そもそも、この作品の販売価格はどうやって決めたの?

トラ

この作品は、実用性重視の製品は100円均一ショップでも販売されています。ホームセンターでも1,000円前後です。私はこれをお客様のインテリアと合うように、デザイン性を高めた作品として製作しました。

だから『オシャレにした分を含めた価格』として1,500円に販売価格を設定したのです。

そのとき、ちゃんと『作品の製作にかかる費用=原価』もチェックしています。

販売価格 1,500円
材料費 300円
梱包費 100円
販売手数料(10%と仮定) 150円
販売利益(私の取り分) 950円

この作品のポイントは、材料費が非常に少ないことで販売価格の20%で製作することができます。

おかげで、梱包にかかる費用や、ハンドメイドマーケットに支払う手数料を考慮しても、私は作品をひとつ製作するごとに950円の利益があるので、問題無いと思っていました。

販売価格には人件費を含めることに気付く

材料費を抑えられたのは良いことだね。じゃあ、この作品を製作したり発送するのにどのくらい作業するの?

トラ

アルバイトだって時間給です。
当然、私が製作したり発送したりするためにかかる時間だって『人件費』として、作品の『原価』に含めなければいけません。

でもその時は、人件費も原価に含めるなんて全然考えていませんでした。
というのも、これまで作品がたくさん売れたことが無かったので、製作する時間はいくらでもあると思っていたからです。

あらためて製作から発送までの作業時間を見直してみると、

  • 30分
    切り出し
    木材から本体となる部分を切り出す
  • 4時間
    本体加工
    機械へのセットと片付け以外は機械で加工する
  • 30分
    組み立て
    全ての部品を組み付ける
  • 1時間
    仕上げ加工
    ヤスリがけと表面仕上げをして1日乾かす
  • 1時間
    梱包・発送
    梱包して宅配便で発送する

この作品は、1つ製作して発送するまでに約2日間かかります。ひとつずつ製作と発送をしていくと、そもそも1カ月で15個しか販売できませんね。

また、本体加工だけは機械で加工しますが、機械をセットしたり片づけたりする手作業に1時間かかるので、作品をひとつ製作して発送するまでにかかる作業時間は全部で4時間かかることが分かりました。

ミケ

売れた時の私の取り分は950円だから、作業時間の4時間で割ると・・・時給237円しかないってことだにゃぁ

作品の販売価格は、私自身が作品を製作する時間を『人件費』として原価に含めないと、儲からないのです。

さもないと、作品がたくさん売れたとしても時給237円で働いている時間が増えていくだけなので、売れれば売れるほど『儲からない』と感じるのは当然のことだったのですよね。

注意
作品の原価は、材料費、人件費、光熱費を含めることで決まります。作品の販売価格は、そこに利益と手数料を加えて設定しなければなりません。また、本来は作品のデザイン費用なども含める必要があります。

作業の費用も含めて『儲かる』にはどうしたら良いの?

ちゃんと『儲かる』ためには、人件費をせめてアルバイト以上にはしたいよね。

トラ

ミケ

う~ん。確かににゃ。。。でもそうするためには、何をすれば良いのかにゃ?

そこで、このヒット作品を、時給1000円で製作・発送の作業をしても儲かるためには、どうすれば良いかを考えてみました。
現実的にできるかどうかは抜いて考えるなら方法は2つあります。

作品の値上げをする

単純に、製作・販売の作業時間にかかる人件費を含めて販売価格を値上げすれば、このヒット作品でも儲けることができます。
どのくらいの販売価格にすれば良いか、ざっくり求めてみましょう。

製作から発送までの作業には4時間かかるので、

時給1,000円×4時間=人件費4,000円

これに材料費300円と梱包費100円も作品の原価として加えます。ハンドメイドマーケットの手数料を10%と仮定しているのでこれも加えれば、

材料費300円+梱包費100円+人件費4000円+手数料500円=4,900円

だから販売価格を4900円以上に値上げをすれば、少なくとも損をしない金額になります。

作品の『デザイン料』や本来の儲けとなる『利益』も含めればさらに良いけどね。

トラ

でも、実用性だけならば、100円均一ショップやホームセンターでも販売されているような製品です。それをオシャレにした作品だからといって、お客様に4,900円以上で購入してもらえるのでしょうか?

実際にお客様が欲しいと思ってもらえる価格として設定した1,500円は妥当だと思えるので、4,900円以上の販売価格では、あまりにも高額で売れる気がしません

作品の製作時間を短縮する

もうひとつの儲けられる方法として、販売価格を変えずに人件費を含める方法もあります。それは、短時間で製作・発送して人件費を安く済ませてしまうこと。

ヒット作品の場合は、人件費として950円を確保できるので約1時間で製作から発送までできれば、それまでと同じ販売価格1,500円でも損をしないことになります。

でもそれは、4時間かけてやっていた作業を3時間、減らさなければならないということ。
いろいろ工夫して作業時間を減らす努力をしてみましたが、どんなに頑張っても30分程度しか減らすことができませんでした。

ミケ

値上げと製作時間の短縮を組み合わせることも考えたけど、現実的にはならなかったにゃぁ…orz

作品を値上げしたら売れなくなってしまうし、製作時間を短くすることもできない。
作品をつくるアイディア、製作方法、販売価格は、あらかじめ考えていたものから変えてしまうことは難しい。そう理解しました。

結局、このヒット作品を改善して『儲かる』ようにすることは出来ないとあきらめて、販売は中止にすることにしました。

まとめ:ハンドメイドで『儲かる』ためには。

この記事では、ハンドメイドマーケットで『作品が売れない』という悩みが解決したあとに気付いた、実は売れても『儲からない』という問題の理由について考えてきました。

その結果、私が『儲からない』理由は、自分の製作・発送にかかる人件費を価格に含めていなかったことが理由であることが分かりました。

ハンドメイド作家になって、始めのうちは売れないからこそ時間がたっぷりあったので、作品の製作から発送までにかかる人件費を価格に含めないといけないなんて気付きもしませんでした。

だから、いざヒット作品が生まれて売れるようになっても『儲からない』という事態になってしまったのです。大失敗ですよね。

販売価格の決め方

失敗から学んだ販売価格の決め方は、以下の3つです。

  1. ライバルとなる作品の価格もみながら、お客様にお得感がある価格に決める
  2. 少なくとも『材料費』『梱包費』『人権費』を含めた原価よりも高くする。
  3. 『販売手数料』と『作品のデザイン料』や『利益』も価格にのせるとベスト。

もしもあなたが、私と同じように『売れても儲からない』という状況になっているなら、作品の費用と販売価格の関係を詳しく分析してみることをおススメします。
もしかしたら、あなたの製作費用が時給に換算すると最低労働賃金にすら届いていないかも。

実はこのあと、さらに心の折れる出来事が起こってしまいます。
それは、お客様に私の作品をみてもらう機会を増やそうと考えイベント出展したときのことなのですが、そのお話しは次回にしたいと思います。

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