minneやCreemaなどのハンドメイドマーケットで販売している作品は、作家さんにとってはひとつひとつ心を込めて製作した愛着のあるものです。
これがいつまで待っても『売れない』と悲しいですよね?
まるで自分の努力が全て否定されたような気持になって、心が折れそうになるはずです。
実は私も、ハンドメイド作品の販売をはじめたばかりのとき、まったく売れなくてそんな気持ちになっていました。
ミケ
ここでは、私が2年前にハンドメイドを始めたきっかけから、現在、モバイル決済を導入して『カードが使えるお店』を実現するまでの成長記をお話ししています。
前回は、私が稼ぐためにハンドメイド作家になり、作品をハンドメイドマーケットで販売することを決めたところまでお話ししました。
この記事では、自分のハンドメイド作品が初めて売れたときの私の体験談をお話しします。そして私が「あのときこうしておけば良かったな」と思った最初の売り出し方も合わせてご紹介したいと思います。
もしもあなたが、作品が売れなくて心が折れそうな思いをしていたら、私の考えた売り出し方を試してみると良いかもしれません。参考にしてもらえたら嬉しいです。
目次
『minne』で作品が売れるまでに3か月もかかった件
安定収入を稼ぐためにハンドメイド作家になった私は、ハンドメイドマーケットに登録してショップページを立ち上げました。
特に業界大手の『minne』と『Creema』で売上があがることを目標にして数種類の『インテリア小物』を製作し、販売を開始しました。
初めて販売した作品はどんなもの?
最初に製作した作品は、木材とアクリル板を使ったフォトフレームなどを数種類です。
今思えば安直な工夫ですが、その時は真剣に他の作家さんと被らないよう特徴を持たせて設計しました。
- 奥行きを持たせて写真やカード以外の小物も一緒に飾れる。
- クギや接着剤を使わず壊れにくい構造を採用する。
プライベートで自分のものづくりをしたことはありましたが、販売するために製作したのは初めてです。細心の注意を払いながら苦労を重ねて作り上げました。
早速、『minne』や『Creema』で販売を始めましたが、『お気に入り』を付けてくれる人はいるものの数週間待っても売れませんでした。
作品を売るために試したこと
ミケ
トラ
それから私は、インターネットや書籍で『作品を売るための方法』を調べ、できそうな事から実際に試していきます。
- 作品のバリエーション追加
- 同じジャンルの新作追加
- プロフィール文章の修正
- 作品写真の撮り直し
- 作品のネーミング変更
- 作品販売文の修正
- SNSを使った作品をアピール
変更内容について詳しくは書きませんが、それぞれ理由があって正しい変更だと思います。しかし、これらを地道に修正や追加していきましたが、それでも売れませんでした。
そこで最終手段として値下げに踏み切ります。
お客さんがお値打ちと感じる販売価格は、私が売りたい価格とは違っているのかもしれません。売り方の改善を続けながらも少しずつ値段を下げていき、さらに1カ月半。
最終的には、材料費にもならない価格まで値下げをしても作品は売れませんでした。ひと言でいえば、最初の作品は惨敗ですね。
ミケ
初めて売れた作品はどんなもの?
初めての出品から3ヵ月めに入って、まだひとつも売れていなかったときのことです。
たまたま入手した木材を使ってコースターを製作し『minne』に出品しました。
▸作品内容
素材自体に自然の良さを感じられる良い銘木だったので、薄く切ってコップ用の窪みを作る程度の簡単な加工と表面処理をした『和風のコースター』です。
▸出品ページ
夏が近づいていたので、ちゃぶ台の上で麦茶を入れた涼しげなコップに敷いて、作品の写真を撮影。暑い夏に素材の木目がピッタリ合うことを紹介文として書いてみました。
▸販売価格
『どうせ売れない』と半ばあきらめていた頃なので、はじめから想定価格の40%引きにしました。
すると、販売を始めた次の日から売れ始めて1週間もたたずに完売したのです。
初めて売れたことに飛び上がるほど喜んだのですが、『私から購入してくれる人がいるんだ』という感動にも似た気持ちになったことを覚えています。
『minne』『Creema』で作品が売れるためには?
その後のハンドメイドマーケット販売
初めての売上は、それからの売り方にヒントを与えてくれます。私は『何故、和風のコースターは売れたんだろう?』と考えました。
- 販売した季節と作品の使い方がマッチしていたから
- 素材の良さを活かした作品に仕上がっていたから
- 作品の紹介ページでお客様が自分で使う姿を想像できたから
- 思ったよりも安かったから
などが作品の売れた理由として考えられるので、それからは、これらの理由に当てはまるように気を付けて、じっくり時間をかけて新しい作品のアイディアを検討するようにしました。
トラ
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私自身は良いアイディアだと思っていても、他の人からみると魅力を感じない場合もあります。
ひとりよがりにならないよう、身近な人たちに新作のアイディアを話して出来るだけたくさんの意見を取り入れてから作品を作り始めるようにしました。
すると、『minne』だけでなく『Creema』でも売れる作品が増えてきたのです。しばらくすると、サイズ違いの製作依頼など、お客様からの要望メッセージを頂いて受注することも出てきました。
作品が売れるために大切なことは何?
さらに幾つかの作品を製作していると、売れる作品と売れない作品の違いが分かってきます。
それは、どんなお客様が、どんなとき、何のために作品を使っているか、その姿がはっきりとイメージできる作品だけが売れていることです。
イメージできるってどういうことか、フォトフレームを例に考えてみますね。
- 男前インテリアに部屋を造り込んでいるお客様は、バスロールサイン風のポスターを棚に立て掛けて飾りたくなって、『黒く塗りつぶしたスチールのフォトフレーム』を探しています。
- シャビーシックインテリアに合わせたいお客様は、一面を新しい壁紙に張り替えたとき、シンプルなボタニカルアートなポスターを壁に飾りたくなって、「白く塗った塗料が剥げかかっている木製の壁掛けフォトフレーム」を探しています。
- 結婚式を挙げたばかりのお客様は、ウェディング写真を棚の上に飾りたくなって「フランスのアンティークっぽい写真立て」を探しています。
私は作品が売れていないとき、漠然と「一般的に販売されているよりも便利だったり可愛かったりするもの」を作らないといけない気がしていました。
でも、お客様は意味なく便利だったり可愛いものが欲しいわけではなく、自分の利用シーンに合ったものが欲しいんですね。
特定のお客様のシチュエーションに合わせた作品をつくると、一部の方にしか合わない作品になってしまいますが、色々な方に合うような作品にすると、結局だれの好みにも合わなくなってしまいます。
だから、
このような作品作りをすると、それにピタリとハマるお客様に買ってもらえます。
トラ
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心が折れない作品の売り出し方
ハンドメイド作品の販売で、「売れない苦しみ」が一番大きいのははじめて作品が売れるまでです。
『minne』や『Creema』で作品が売れると、ショップページには「◯人が購入」のような実績が表示されたり、購入してくれたお客様に気に入ってもらえると良い『レビュー』を投稿してくれます。
そうすると他のお客様にとって、「あ、この作家さんは信頼できるんだな。」と安心してもらえるので購入されやすくなります。
トラ
でも、はじめて作品が売れるまではそれがありません。
お客様の後押しがなく、自分の作品とショップページの内容だけで購入してもらわなければいけないので大変なのです。
ミケ
でもその苦労があったからこそ、やみ雲にいろいろなことを試して心が折れるような思いをするのではなく、「大事なことだけを実践する売り出し方」が分かります。
あくまでも私個人の考えなので正しいとは限りませんが、それをまとめてみたいと思いますので、心が折れそうになっている作家さんがいたら参考にしてください。
作品販売の基本的な考え方
作品が初めて売れるまでには『時間がかかるもの』と割り切って、3つのことを地道に継続します。数か月かけるつもりでやれば、売れない辛さが和らぐでしょう。
- 特定のお客様を詳しく想定して作品を絞り込む
- 同じ作品、ショップページを何度も改良し続ける
- お客様を呼び込むのではなく自分から来てもらう
これだけでは具体的に何をすれば良いか分からないと思いますので、具体的ににやることをまとめますね。
売れるための作品の作り方
ターゲットとなるお客様をできるだけ詳しく想定して、そのお客様に向けて多くても5種類くらいまで作品を絞り込んで製作します。
このとき、作品の色や寸法を変えたバリエーションは作らない方が良いです。
ギャラリーに売れていない作品がたくさん並んでいると、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」に見えてしまいますし、いろんな作品をたくさん製作するには時間もお金もかかります。
バリエーションはよく売れる作品をさらに売るためにすることです。初めは一番売れそうなものに絞りましょう。
その代わり、販売を始めてからも、お客様に合っていない部分やお客様にもっと喜ばれることがあれば、改良品を作り直して更新していきます。
トラ
売れるためのショップページの作り方
お客様に信頼してもらうためには、プロフィールページも作品ページも、できるだけ正直で分かりやすい内容を目指して何度も書き直しましょう。
作品ページのライティング
作品タイトルや説明文に「検索キーワード」を入れがら作品について詳しく紹介することが、気を付けるべきことです。凝った作品のタイトルも、具体的ではない抽象的な文章も必要ありません。
ハンドメイドマーケットでは、同じジャンルの新作が日々たくさん発表されて、自分の作品は埋もれてしまいます。お客様に自分の作品をみてもらうには、検索してもらうのが一番です。
作品タイトルには、自分の想定したお客様が、どんな「キーワード」で作品を検索するか想像して、それを作品のタイトルに入れるようにします。
作品ページの「タグ」と同じような「商品名」「色」「素材」「季節」「特徴」「シーン」などの語句から、特に大切なキーワードをタイトルに入れると良いですね。
説明文には、タイトルに入れられなかったキーワードも含めて、作品を「どんな方にどんな時にどのように使って欲しいか」という作品への思いと、作品自体の詳しい説明を紹介します。
プロフィールページは、お客様が「この作家さんから買っても良いか?」を知りたいときに見られます。安心感を持ってもらえるように、自分のことだけでなく、どんな作品を作りたいか、どんなお客様に使ってもらいたいかを加えておくと親切です。
作品ページの写真の撮り方
作品ページのメイン写真は検索をかけたとき、作品ページに来てもらえるかどうかを決める重要な要素です。お客様に伝えたい「メッセージ」を表現したキレイな写真が必要です。
写真の世界は奥が深くて難しいのでアドバイスする立場ではありませんが、私が気を付けていることを書き出しておきます。
- メッセージが分かりやすくなる写真は背景が重要です。私は、撮影場所、背景に置くものを数種類用意して撮影し、その中からもっとも分かりやすい写真を選択しています。
- 撮影する方向、光の当て方、写真の中での作品の大きさで、お客様に与える印象が変わります。私は、ひとつの背景ごとに20~50枚くらい撮り方を変えて撮っています。
- 写真は明るくて作品にピントを合わせた方が好まれます。私はホワイトバランスやピントの合わせ具合も変えて幾つか撮影するようにしています。
- 撮影した写真は、意外と実物の色合いと異なったりします。私は作品ページに載せる写真はできるだけ実物の色合いに近くなるよう補正をかけています。
私の場合、ひとつの作品ページの使う写真は50~200枚くらいは撮影しています。しかも、作品を販売し始めてからも、納得がいくまで撮り直して更新することが多いです。
SNSを活用する場合は、想定したお客様に響くような写真やコメントを投稿し、「タグ」を工夫して見に来てもらえるように頑張りましょう。
まとめ:『minne』や『Creema』で作品が売れるためには
この記事では、自分のハンドメイド作品が初めて売れたときの私の体験談をお話ししてきました。簡単にまとめると、、、
初めて売れた作品は、たまたま入手した木材を使って『minne』で販売したもの。
偶然の結果でしたが、売れた理由を分析しながらその後の作品製作をすることで少しずつ売上をあげられるようになります。
その結果から学んだことは、『誰が、いつ、どんな目的で、どのように作品を使いたいのか』をハッキリとイメージできる作品を製作することでした。
そして私が「あのときこうしておけば良かったな」と思った最初の売り出し方も合わせてご紹介しています。
- 特定のお客様を詳しく想定して作品を絞り込む
- 同じ作品、ショップページを何度も改良し続ける
- お客様を呼び込むのではなく自分から来てもらう
この体験談が、まだ作品が売れなくて困っている方の参考になったら嬉しいです。
さて、作品が少しずつ売れるようになった私は、さらに難しい課題にぶつかってしまいます。
作品が売れてもあまり『儲からない』ことです。
これを解決するために、モバイル決済の導入を最終目標としてさらに取り組むのですが、そのお話しは次回にしたいと思います。
ミケ