ハンドメイドイベントのモバイル決済普及率調査も4回目になりました。
今回のイベントは、最初に調査したイベントと同じ『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』。
ヨコハマハンドメイドマルシェは年2回開催されているので秋と春の違いはありますが、同じイベント同士でモバイル決済の普及率を比較検討できる、絶好のチャンスと考えて調査してきましたよ。
ミケ
そこでこの記事では、『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』のモバイル決済の普及率調査結果と、他のイベントと比較した結果をご報告します。
消費税率引き上げ後9カ月間はキャッシュレス決済するとポイント還元されるので、これからはハンドメイド業界でも、一気にモバイル決済の普及率が高まるはず。
消費税率アップをモバイル決済で乗り切る!『キャッシュレス・消費者還元事業』の解説と大手4社の対応まとめもしもあなたがイベント出店する事が多いハンドメイド作家さんなら、他の作家さんたちに出遅れないよう、まずはモバイル決済の普及率状況をチェックしておいてくださいね。
目次
今回のイベント実態調査のポイントは?
2018年の秋に開催した『ヨコハマハンドメイドマルシェ』から、モバイル決済のイベント実態調査をはじめ、今回のイベント実態調査で4回目となりました。
これまでのイベント調査は、調査するそれぞれのイベントに関連がなかったため、モバイル決済の普及率には、イベント自体の違いと調査時期の違いの両方が含まれた結果になってしまっていました。
しかし、今回のヨコハマハンドメイドマルシェは、昨年の秋に調査したイベントと同じイベントです。春と秋で若干イベントの規模に違いはありますが、同じイベント同士で比較できるので、調査時期による普及率の差をみることができそうです。
ミケ
そこで今回は、ヨコハマハンドメイドマルシェ同士の比較をして、「昨年の秋から今年の春でどれくらい普及率に変化があったか?」をポイントとしてまとめたいと思います。
普及率については他のイベントとも比較した結果をまとめますので、『モバイル決済』の導入状況をチェックしてみてください。
『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』の基本情報
今回、調査に行ったイベントは『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』です。
『ヨコハマハンドメイドマルシェ』は年2回、春と秋に開催している神奈川県最大級のハンドメイドイベントです。
今回の2019年最新情報も含めて春と秋のイベント実績をまとめておきます。
開催時期 | 2019 | 2018秋 | 2018 | 2017秋 |
出店者数 | 3,053人 | 2,130人 | 2,780人 | 1,310人 |
出店ブース数 | 3,062ブース | 2,040ブース | 2,870ブース | 1,270ブース |
来場者数 | 23,000人 (予定) |
18,000人 | 22,000人 | 13,500人 |
この表を見ると、長年メインで開催してきた春のイベントの方が規模が大きいことが分かります。
でも、秋のイベントは急成長していて春のイベントに迫る勢いですし、開催者・会場は全く同じ。
だから『モバイル決済』の普及率調査としては、今までの調査よりもずっと開催時期の時系列による影響が分かりそうです。
私もヨコハマハンドメイドマルシェには何度も出店しているので、知り合いの作家さんが何人もいらしていて、挨拶がてら調査を進めてきましたよ。
ミケ
モバイル決済普及率の調査結果
実態調査の対象ブース
私が調査したのは、2019年6月8日(土)。
フードブースを除いた、全部で1,427ブースに対して調査を実施しました。
『ヨコハマハンドメイドマルシェ』は、出店ブースのエリアがジャンルごとに決まっていないイベントです。それどころか、ひとつのブースの中でもジャンルが複合している作家さんもいるカオスイベント。
だから、ヨコハマハンドメイドマルシェ秋と同様にカテゴリーごとの調査をしていないので、その分析結果もないことをご了承ください。
モバイル決済の普及率
まずは過去のイベント調査結果も含めて、モバイル決済の普及率をみてみましょう。
今回の『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』の調査結果では、モバイル決済の普及率は13.2%でした。
この結果によって分かったことは2つ。
- ヨコハマハンドメイドマルシェは、minneやCreemaが主催するイベントと比べてモバイル決済の普及率が低い。
- ヨコハマハンドメイドマルシェは、昨年の秋から今年の春でモバイル決済の普及率は3%上がった。
ヨコハマハンドメイドマルシェは、調査した中ではモバイル決済はまだまだ普及していないイベントで、新規でモバイル決済サービスを導入する出店者も少ない。いうことです。
時系列による普及率の変化が少ないことから、東京での開催実績が多いビッグイベントとの普及率の違いは、イベントの規模や開催地、特徴によって変わる普及率の違いということでしょうね。
ヨコハマハンドメイドマルシェの場合、モバイル決済サービスも導入して本格的に稼ごうとしている出店者が少ない。という結果も反映されているのかもしれません。
トラ
本格的に稼ごうとしている出店者が多い東京開催のビッグイベントを時系列で調査したら、モバイル決済の増加率はもっと高いのかもしれません。
夏には、ハンドメイドジャパンフェスが東京ビッグサイトで開催されるので、それを確認できるはず。・・・調査に行くのが楽しみですね。
導入サービスの内訳
では、『ヨコハマハンドメイドマルシェ』でモバイル決済を利用している出店者が導入したサービスの内訳はどのように変化しているのでしょうか。
2018秋と2019のそれぞれを円グラフにして導入サービスの比率を比較してみます。
今回の『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』の導入サービスの調査結果は、前回の『ヨコハマハンドメイドマルシェ2018秋』とは、大きく異なる結果となりました。
普及率には大きな差がないのに、導入サービスの内訳に違いがあるということは、既にモバイル決済を利用している出店者たちが、そのサービスを変えたり増やしているということを意味しています。
その大きな変化の要因は、昨年10月から提供を開始したQRコード決済サービスの『PayPay』です。
『ヨコハマハンドメイドマルシェ2018秋』のときは、サービス開始直後なので導入している方は全くいなかったのですが、たった半年で楽天ペイを抜いた2番手まで浮上してきています。
『PAYPAY』が一気に普及率が高くなったのは、どうも宮川大輔さんが出演しているテレビCMの効果というだけでは無さそうです。
同じモバイル決済の中でも『PAYPAY』は、店舗が導入しやすい特徴を持っているQRコード決済サービス。決済の種類の違いについてはこちらを読んでくださいね。
モバイル決済が使える電子決済は3種類。大手モバイル決済サービスはどれに対応しているの?しかもクレジットカード決済がメインとなる他の大手モバイル決済サービスとは、あまり被らない決済方法なんですね。
だから『PAYPAY』は、既に他のサービスを導入済みの出店者が決済手段を増やすために、追加でQRコード決済だけを導入することにも適していて、手軽な特徴と相まって、一気に普及率が高くなったようです。
中でも、もともと普及率がトップだった『Square(スクエア)』と『PAYPAY』の組み合わせは、決済の種類が完全に被らないので互いに補い合うサービスになります。
そのせいか、今回の調査では『PAYPAY』を導入している出店者の30%以上の方が、『Square』と『PAYPAY』の組み合わせでモバイル決済を導入していました。
ミケ
まとめ:イベント調査で分かったこと
この記事では、神奈川県最大級のハンドメイドイベント『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』に行ってモバイル決済サービスの導入状況を調査し、その結果をまとめてきました。
普及率に関しては、過去に調査した3つのハンドメイドイベントに今回の調査結果も含めて、棒グラフを比較しています。
その結果は、『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』のモバイル決済普及率の調査結果は13.2%で、『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019秋』の10.2%から僅か3%上がっただけでした。
この結果から分かることは、以下の2つ。
- ヨコハマハンドメイドマルシェを時系列に比べると、モバイル決済サービスの普及率の増加は少ない
- モバイル決済の普及率は、時系列の変化よりも、主にイベントの規模や開催地,特徴などによって変わると予測される
一方、モバイル決済を利用している出店者の導入サービスをみると、『ヨコハマハンドメイドマルシェ2018秋』では全く導入されていなかった『PAYPAY』が、『ヨコハマハンドメイドマルシェ2019』では一気に24.1%も導入されていました。
これは、宮川さんのCMだけでなく、店舗が簡単に導入できること、他のモバイル決済サービスとあまり被らないQRコード決済サービスであることが理由であると考えられます。
2019年10月1日からの消費税率引き上げに伴って実施される『キャッシュレス・消費者還元事業』の影響もあり、これからモバイル決済の導入も変化が多くなりそうです。
その直前となる夏のイベントは変化も大きそうなので、継続して調査に行ってきますね。