モバイル決済サービスを利用すれば、手軽にクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済ができるようになるので便利です。
ですが、どのモバイル決済サービスでも『加盟店審査』を通過しなければサービスを利用できません。
私は「審査」という言葉を聞くと、ちょっと心配になってしまうのですが、あなたはどうでしょうか?
しかも、どのモバイル決済サービスでも詳しい審査の内容は公開されていません。
どんなことを審査されるのか分からないと、余計ドキドキしてしまいますよね。
でも、「何故、審査が必要なのか?」とか、「審査ではどんな内容を確認されるのか?」という基本的なことだったら大体わかるので、その内容に合わせて準備することができます。
ミケ
そこでこの記事では、モバイル決済サービスの『加盟店審査』の目的や、その仕組みなど基本的な知識について、私の理解している範囲で解説したいと思います。
『加盟店審査』は専門用語が多いので、素人の私には理解するのが大変でした。
もしもあなたがモバイル決済の審査についてまだ何も知らないようなら、素人の私が説明するからこそ、理解しやすい部分もあるのではないかと思います。
ぜひ読んで理解を深めてみてくださいね。
目次
加盟店審査ってどんな目的でするの?
モバイル決済は、そのサービスが対応しているカードブランドの『加盟店』にならないと決済することができません。
クレジットカードや電子マネーを運営する会社は、お客様のカードを悪用する事業者や法律に違反している事業者が『加盟店』にならないよう、その条件を『加盟店規約』に細かく取り決めています。
だから加盟店審査は、『加盟店』になりたいと申請してきた事業者が、『加盟店規約』で決められた内容や基準を満たしているかどうか判断することを目的に行われるんです。
そのために、審査していると思われる内容は、主に2つ予想することができます。
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加盟店として信頼できるか?
当然ですが、クレジットカードは現金の代わりに使うものなので、悪用されて逃げられてしまうとカード会社に損害が発生してしまいます。
それを防ぐために、サービスのアカウントを登録するときに入力する情報を基に、
- 不正確・不完全な情報だったり、虚偽の情報はないか?
- 実際に商品を販売していることを確認できるか?
- お店とその代表者の情報が間違いないことを確認できるか?
などをチェックして、加盟店として信頼できるかどうかを判断しているはずです。
ですから、特にハンドメイド作家のような個人で活動している方は、お店の名前である屋号(ブランド名)とその代表者である個人の関係を、きちんと証明できるようにしておいた方が良いですね。
用途や使い方が基準を満たしているか?
モバイル決済サービスは、適用される業種や商品、サービスによって制限が設けられています。
例えばクレジットカードの決済では、
- 公序良俗に反するもの
- 銃刀法、麻薬取締法、ワシントン条約など法令に違反するもの
- ギフトカード、商品券などの換金性の高い商品
- 特定商取引に関する法律で規制される販売方法
などの商品やサービスを販売する場合は、審査を通過することができなくなります。
とはいえ、オリジナル作品を普通にネットショップで販売しているハンドメイド作家さんであれば、あまり制限に引っ掛かることはないはずです。
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でも、ハンドメイド作家さんも関わりがありそうな制限として注意が必要なのは『特定商取引に関する法律で規制される販売方法』です。
もしも、あなたが講師としてハンドメイド教室を開催して生徒さんから参加費をいただくとしたら、そのサービスは『役務提供』となります。
役務提供は、SquareやCoineyの場合なら『特定商取引に関する法律』に基づいた販売方法にしなければいけませんし、Airペイや楽天ペイでは、そもそも役務提供の決済は禁じられているので、審査を通過することは難しくなります。
電子マネーの場合は、さらに業種にも細かく制限があって、リサイクルショップや占い、便利屋などの代行サービスなどは、審査を通過することができないので注意しましょう。
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モバイル決済の審査手順
モバイル決済の審査方法
では実際の審査は、どのような方法で行われていくのか説明しますね。
モバイル決済は、ひとつのサービスで様々なクレジットカードや電子マネーの決済に対応しています。
これは、サービスに申し込めば全部使えるようになるということではありません。
それぞれのクレジットカードや電子マネーのブランドの『加盟店審査』を受けて、それに合格すれば使えるようになるという意味なんです。
例えば、対応ブランドの審査を受けて、VISAカードの加盟店審査だけ通過できたなら、VISAカードの決済だけはできるということですね。
サービスとしては多くの種類のブランドに対応していても、審査の結果によって使えるブランドと使えないブランドができてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
各サービスの審査手順とその期間
実際の加盟店審査は、全てのブランドの審査を別々に受けるというわけではなく、ある程度まとまっています。また、審査にかかる期間や、通過しやすさもサービスによって異なります。
幾つか大手モバイル決済サービスの審査のやり方や期間についてみてみましょう。
Square(スクエア)の審査
Squareの審査は、VISA / Master / Amexの3種類と、JCB / Diners Club / Discoverの3種類のブランドで、2つの審査に分かれています。
Squareのヘルプセンターの記事から、最短の審査期間の場合の日程をお借りすると、以下のようになっています。
Squareの審査はとても早く、VISA / Master / Amexは、申し込み後すぐに審査が完了して使えるようになり、JCB / Diners Club / Discoverに関しても3営業日で審査が完了します。
私がSquareのカード決済サービスを申し込んだときは、申込みが完了した直後にVISA / Master / Amexの審査に合格したというメールが来て、JCB / Diners Club / Discoverはなんと翌日に審査が完了したというメールが来ました。
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Airペイ(エアペイ)の審査
Airペイは、クレジットカードだけでなく、電子マネーやQRコード決済にも対応しているので、それに応じて審査の数が多くなります。
AirペイのFAQの記事から、最短の審査期間の場合の日程をお借りすると、以下のようになっています。
Airペイの審査は、申込みをして書類をアップロードしてから、VISA / Masterは3日くらい、それ以外は10日前後で審査が完了するようです。
たくさんの『ご利用審査完了のお知らせ』が届くので、どの審査が完了したのかきちんと確認しないといけないですね。
Coiney(コイニー)の審査
Coineyの審査は、クレジットカードが2段階の審査に分かれていて、それにQRコード決済と交通系電子マネーの審査を加えた4つの審査に分かれています。
その手順は、1次審査でVISA / Mastercard / SAISON CARDの審査を受けて通過した後に、その他の審査も受けられる仕組みになっています。
- STEP.1クレジットカード取扱い1次審査VISA / Mastercard / SAISON CARDの審査が行われます。最短で申込みから2営業日で審査が完了します。
- STEP.2WeChatPay取扱い審査1次審査通過後、WEB管理画面より審査規約の同意した後、最短で翌3営業日でQRコード決済のWeChatPay審査が完了します。
- STEP.3電子マネー取扱い審査1次審査通過後、最短で翌7~10営業日で交通系電子マネーの審査が完了します。
- STEP.4クレジットカード取扱い2次審査JCB / American Express / Diners Club / Discoverの審査が行われます。1次審査通過後、最短翌5営業日で審査が完了します。
Coineyの審査は、VISA / Masterだけならも比較的早く、申込み直後から最短2日でカード決済ができるようになります。
但し、それ以外のクレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済に関しては、1次審査通過後、五月雨式に審査が完了していき、全てのブランドについての審査が完了するまでには10日前後かかります。
審査を受ける時の注意点
モバイル決済サービスの審査は、Square(スクエア)やCoiney(コイニー)は、楽天ペイやAirペイ(エアペイ)と比べて
- 販売実績が無くても審査を通過できる
- 審査基準も比較的通過しやすいと言われている
- 登録時に入力する情報が少なく、オンラインで対応できる
など、個人で活動している事業者が、導入しやすいサービスになっています。
ですが、幾つかの点においては、準備しておくべきこと、注意しておきたいことがあります。
特に、ハンドメイド作家さんに気をつけて欲しいことを書き出しておきますので、参考にしてください。
- 審査でネットショップの情報を登録するときは、作品のカテゴリーやジャンルを絞り込み、モバイル決済の登録時のものに統一する方が良いです。
いろんな作品を雑多に扱っているネットショップの場合、業種や業態が分かりにくく、審査のときに登録と情報が違うと思われてしまう可能性があります。 - 審査でネットショップの情報を登録するときは、ネットショップに『特定商取引法に基づく表記』を公開して、代表者の氏名、住所が確認できるようにする方が良いです。
そうすれば、販売している商品と、販売している事業者が登録内容と一致しているか、審査で確認することができます。 - 審査中に追加の情報を求められる場合や、修正を求められる場合もあるそうです。
情報を提出することで、審査を通過できたり、サービスが停止されずに済むことができるので、なるべく早めに対応した方が良いです。
私が利用しているSquare(スクエア)では、審査が完了してサービスを利用している間も、常に利用状況に問題がないかチェックされているようです。
審査が通りやすいからといって、その場で取り繕って登録するのではなく、今後ずっと利用していくことを踏まえて、しっかり準備しておいた方が良いと思います。
まとめ:しっかり準備をして審査を通過しよう
この記事では、モバイル決済サービスの『加盟店審査』が必要な理由や目的と、その仕組みなどの基本的な知識について、私の理解している範囲で解説してきました。内容をまとめてみますね。
モバイル決済サービスが『加盟店審査』を実施する目的は、2つあります。
- 加盟店として信頼できるか?
- 用途や使い方が基準を満たしているか?
ハンドメイドのようなオリジナル作品の販売目的であれば、基本的に2つの目的は満たすはず。嘘偽りなく正確に申込み情報を準備して申込みをすれば、問題無く審査を通過することができるでしょう。
但し、ハンドメイド教室のような役務提供についてもカード決済する場合には、通過できない場合があるので注意が必要です。
『加盟店審査』は、クレジットカードや電子マネーのブランドごとに設定された基準が設けられていますが、実際の審査では、設定された基準が同じカードブランドを幾つかまとめて行われます。
注意しておきたいことは、サービスでは対応していても、その中の幾つかのカードブランドで審査が通過できない場合は、そのブランドの決済はできなくなることです。
審査期間は、早いものは申込み後、すぐに完了するものから10日前後の期間が必要な場合があります。
Square,Coineyは、比較的審査が簡単で期間も短く、楽天ペイ,Airペイは書類などの提出が必須で厳しく期間が長いです。
審査の基本的な内容についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
審査を通過できないと、キャンペーンに適用する機会を逃してしまうこともあるし、最悪の場合は、せっかく申し込みをしたのにモバイル決済サービスを利用できないこともありえます。
モバイル決済サービスをお得に導入し、継続的に利用できるよう、しっかりと審査の準備をしておきましょう。